最初は、川を横切る白い糸のように見える。その糸が近づくにつれ、音も大きくなる。海から押し寄せた水が川の流れに逆らって進み、動く潮の先端をつくる。これが海嘯だ。銭塘江の広く静かな水面に、進んでくる白い波が現れる。
川辺の物語
海が川をさかのぼるとき
月と河口の形、そして白い線が、川の表情を変える。
同じ街をめぐる · 杭州 ↗近づく線、近づく音
月と地形の出会い
月と太陽の力が海の潮汐を動かす。杭州湾は入口が広く、内陸へ向かうほど狭く浅くなり、海嘯が育つ条件をつくる。岸や水利施設に出会うと、潮は長い線になったり、交差したり、跳ね返ったりする。川の区間ごとに、異なる形が見えてくる。
秋の約束と、変わる時刻
旧暦八月十八日は、長く受け継がれてきた観潮の日で、通常は九月か十月に当たる。ただし潮は、その日だけのものではない。雨、風、上流からの水や河道の状態も姿を変える。伝統の日は暦にあり、日々の時刻は現地の最新予報と案内が教えてくれる。


