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翼のない飛天|壁画が描く動き

空中を舞う身体、長い帯、音楽を奏でる手が、莫高窟の初期と後期の天人像を結びます。

同じ街をめぐる · 酒泉 ↗

仏教世界の天人

飛天は仏教美術で音楽、舞踊、供養に結び付く天人です。莫高窟では「飛天」と呼ばれる姿を、長い飄帯、傾いた身体、雲、流れる動きで表します。仏の教えや音楽、供物を取り巻く聖なる世界の住人で、視線を洞窟全体の彩色空間へ導きます。

莫高窟第285窟の壁画に描かれた飛天
書籍からのスキャン複製が、西魏時代の飛天の流れるような姿を伝えます。

身体が空間に線を描く

曲げた膝、ひねった胴、伸ばした腕が飛ぶ方向をつくります。第285窟では南北壁の上段に十二体の飛天が配され、楽器を奏でたり花を散らしたりしています。傾く身体と飄帯が壁を動きの場に変え、伎楽や天人とともに洞窟の天界を形づくります。

西魏の洞窟に広がる複数の天界

第285窟は西魏時代のもので、北壁の題記は538年と539年を記します。天井には仏教の飛天、道教の羽人、伏羲・女媧などが描かれています。異なる伝統が同じ洞窟にあり、飛天は複数の宗教的世界を横切る特別な空を得ました。敦煌が異なる芸術の言葉の交差点だったことも伝わります。

第217窟の藻井と周囲の天井文様。
第217窟の藻井と周囲の天井文様。

第285窟から第130窟へ

第130窟の飛天はまったく異なる大きさです。巨大な弥勒像の上には、長さ約2メートルの唐代の大飛天が五体残り、天井には北宋時代の龍と花文様の藻井があります。飛天が中央の天蓋の周りを巡るように見えます。第285窟の西魏時代の群像と比べると、同じ主題が時代と空間に応じて変化したことがわかります。

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写真の出典と権利情報
  1. 書籍からのスキャン複製が、西魏時代の飛天の流れるような姿を伝えます。Unknown 6th-century muralist; scanned reproduction uploader Axb3 · Public Domain Mark 1.0 (artwork reproduction) 元写真の出典 ↗ 権利情報 ↗ 向きを補正し、縦横比を保って縮小、WebP化。トリミングや修整なし。
  2. 第217窟の藻井と周囲の天井文様。xiquinhosilva · CC BY 2.0 元写真の出典 ↗ 権利情報 ↗ 向きを補正し、縦横比を保って縮小、WebP化。トリミングや修整なし。