博物館という組織と、その本館は、同じ日に開かれたわけではない。旅順博物館の正式な開館日は1917年4月1日で、現在の本館が開いたのは1918年11月22日だった。壮大な建物の準備が整う前から、収蔵品は来館者を迎えていた。
建築家・松室重光は、ロシアの兵士倶楽部のために用意されていた基礎の上に建物を設計した。イオニア式の柱廊では、巻物のような渦巻きの柱頭が入口で目を引き、全体の構成には複数の建築的な表現が取り入れられている。引き継がれた基礎と後から加わった設計によって、建物そのものも、収蔵品が揃った時に現れた中立的な容器ではなく、複数のつくり手が重なった資料となっている。




