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シャル寺の屋根と中庭

張り出す東翼、中央の集会堂、中庭の構成が、チベットと中国に由来する建築要素を一つの層状の僧院に結びつけている。

同じ街をめぐる · シガツェ ↗
谷間に建つシャル寺
シガツェ南方の谷にあるシャル寺の主要建築。

東へ開く僧院

シャル寺は東を正面とし、主要建築は西へ伸びる。故宮博物院の資料が「張り出す形」と説明する平面である。主堂の前には中庭があり、中央の集会堂が建物の軸となる。周囲には十を超える礼拝堂が集まる。外から見ると、幅広く低い建物の東翼が上へ伸びる、層のある構成が読み取れる。開放的な中庭と、堂や祠が密集する内部が連なり、到着から礼拝空間へ進む動きを一続きにする。

中庭の上に立ち上がる東翼

シャル寺の主要建物は大部分が二階建てだが、東翼は三階に達し、屋根の線に明確な高低差を生む。故宮博物院の事業資料では、一階に護法堂、その上に般若堂、三階に東曼荼羅堂が置かれる。高い翼部は礼拝の用途を担い、独特のシルエットもつくる。護法堂の天井が低いため、三階は周囲の二階建ての礼拝堂に視覚的に近く見える。室内の高さが外観を左右する例である。

シャル寺の中庭
僧院の堂宇の前に広がる中庭。

木造の斗拱と釉薬の細部

シャル寺の建築はチベット式を基礎に、故宮博物院の資料が中国の建築実践と結びつける要素を組み合わせる。張り出した部分の下にある斗拱や釉薬を施した建材などだ。別々の様式として現れるのではなく、木材の支持材が屋根を支えて軒を伸ばし、釉薬の部材が上部構造に光沢を加える形で同じ建物に組み込まれる。13世紀末から14世紀にかけて、グ家が僧院を拡張し大規模な修理を行った。その規模と技法の組み合わせに時代が刻まれている。

中庭、集会堂、礼拝堂の動線

中庭は東向きの建物群に開放的な前庭を与え、その先には集会堂と礼拝堂が内向きの宗教空間をつくる。単独の大広間ではなく、集まりの場所を異なる礼拝堂とつなぐ構成で、事業資料が挙げる般若堂や東曼荼羅堂もその一部だ。この配置は、本堂や礼拝堂を巡る回廊の役割も理解させる。屋根、中庭、通路は一つの空間体系をつくり、訪れる人は開けた場所から堂へ進み、上下階が周囲の礼拝堂を組織する。

シャル寺の内部にいる僧侶
シャル寺の内部空間で作業する僧侶。
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写真の出典と権利情報
  1. シガツェ南方の谷にあるシャル寺の建物の輪郭。Hiroki Ogawa · CC BY 3.0 元写真の出典 ↗ 権利情報 ↗
  2. 僧院の堂宇の前に広がる中庭。Gerd Eichmann · CC BY-SA 4.0 元写真の出典 ↗ 権利情報 ↗
  3. シャル寺の内部空間で作業する僧侶。Gerd Eichmann · CC BY-SA 4.0 元写真の出典 ↗ 権利情報 ↗