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崖の絵を守り、花山を受け継ぐ

花山の保全では、描かれた岩肌そのものを守りながら、風化や鉱物層、周辺景観の研究が続けられている。

同じ街をめぐる · 崇左 ↗
花山の現代の来訪者用建物の正面に、大きな鼓形の装飾がある。
2023年6月10日撮影。現代的な鼓形の装飾を備えた花山の来訪者サービスセンター。古代の花山景観のそばにある現代の来訪者向け施設で、保存処置の場面ではない。

岩肌そのものが証拠の一部

岩絵の色あせた箇所は、輪郭を見分けにくくすることがある。しかし花山では、顔料と元の岩肌との関係もまた、遺跡が受け継ぐものの一部だ。ICOMOSの評価書によると、寧明では絵に手を触れずに亀裂を補強する作業が行われている。絵を支える素材を安定させることと、絵を新たに完成したように見せることは異なる。

明るく復元した図は、解説展示で岩絵を理解する助けになるかもしれないが、元の崖に手を加えることになる。風化した表面には、それ自体の物質的な歴史が刻まれている。色あせた部分も、元の岩肌の一部として残されている。

花山の風化した岩面に、赤く描かれた人物像が見える。
2023年6月10日撮影。崇左市寧明にある花山岩絵の細部。人物像を示す写真だが、像の意味や正確な年代を確定するものではない。

薄い層に長い歴史が宿る

研究者は、花山の絵に関係する炭酸塩層を調べるため、ウラン・トリウム年代測定を用いてきた。絵の上または下にある鉱物層は、頁の順序から前後関係を読み取るように、出来事の順序を確かめる手がかりになる。

それぞれの測定結果は、特定の試料と描かれた面との関係に即して読む必要がある。年代を測った炭酸塩層を合わせて検討することで、長く利用されてきた景観の各所に残る絵の年代順を研究者が組み立てていく。

保全と研究は異なる問いを立てる

研究室では、顔料を岩に結びつけているものを調べることがある。保全担当者は、亀裂が動いているか、表面の素材が失われているかを知る必要があるかもしれない。問いは重なり合うが、同じではない。花山の接着媒質を調べた科学分析は、ごくわずかな痕跡から、古代の絵の具づくりをめぐる問いが生まれることを示している。

赤い痕跡は、絵であり、物質の混合物であり、岩肌と結びついたまま残るものでもある。また、それを見やすくしようとする行為によって損なわれるおそれのある証拠でもある。岩絵には触れず、水をかけず、なぞらず、その他の方法でも変化を加えてはならない。表面を守ることは、研究の拠り所となる証拠を守ることでもある。

顔料の外側まで保護する

2021年の保全報告書は、世界遺産の範囲を、継続的な管理を要する景観として扱っている。河川、植生、集落、土地利用も、岩絵が残る環境の一部をなす。

保全は、人物像のそばにある亀裂から、崖の周囲の地形にまで及ぶ。こうした関係を維持することも、文化遺産として認められた場所に伴う長期的な責任の一部だ。

花山の高い崖が緑の川の上に立ち、岸近くに小さな筏がある。
崇左市寧明の花山の崖と、その川の環境。出典に記載された撮影日:2023-06-10。

表面に手を加えない保護

傷みやすい岩絵の表面を守るには、どのように鑑賞できるかも考える必要がある。離れた場所からの眺めや写真、図解を使えば、崖に触れずに細部を知ることができる。

古い岩肌には、風化してきた歴史がある。亀裂を安定させ、岩を支える作業は、絵の現状を保ちながら目立たない形で行うことができる。残された絵と、それを支える岩への配慮は、切り離せない。

探索を続ける · 寧明花山岩絵 ↗
写真の出典と権利情報
  1. xiquinhosilva · CC BY 2.0 元写真の出典 ↗ 権利情報 ↗
  2. 2023年6月10日撮影。崇左市寧明にある花山岩絵の細部。人物像を示す写真だが、像の意味や正確な年代を確定するものではない。xiquinhosilva · CC BY 2.0 元写真の出典 ↗ 権利情報 ↗
  3. 崇左市寧明の花山の崖と、その川の環境。出典に記載された撮影日:2023-06-10。xiquinhosilva · CC BY 2.0 元写真の出典 ↗ 権利情報 ↗