雑誌から

風はどう砂丘を描くのか

一粒の短い跳躍、砂紋、長い稜線。それぞれ異なる尺度の動きを、風と重力がつなぎます。

同じ街をめぐる · 酒泉 ↗

砂粒が短く跳ねる

風はゆるい砂に力を及ぼします。粒の重さや隣り合う粒との結び付きを超えると、粒は短く跳ね上がります。地質学ではこれを跳躍(saltation)と呼びます。着地の衝撃が別の粒を動かし、繰り返す跳躍が砂を運びます。大きな粒は衝突を受けた後、転がったり表面をゆっくり這うように移動したりします。

砂紋に人の長い影が落ち、遠くの斜面は明暗に分かれる。
砂紋に伸びる人の影と、斜光で明暗が分かれた遠景の斜面。

繰り返される小さな筋

粒同士の衝突や粒径の違いが、砂面に規則的な砂紋をつくります。その線は砂丘本体よりはるかに細かな尺度です。地表の湿度、植生、表面の固結は、風が運べる砂の量を左右します。砂紋は飾りのように止まった模様ではなく、新たな移動で際立ち、崩れ、別の並びに覆われます。

稜線を越えて反対側へ

単純な砂丘では、砂が風上斜面を上り、稜線の先に堆積します。風下側が急になると、薄い砂層が重力で滑り落ちます。この急斜面が滑落斜面です。片側から運ばれ、反対側へ積もることで砂丘は更新されます。輪郭が同じように見えても粒の位置は変わり続けます。水が流れても波の形が保たれるのに似ています。

砂の稜線が画面を占め、低い位置に泉辺の建物と木々が見える。
高い砂の稜線と下方の建物、植栽の尺度の対比。

砂丘の形を分ける風向

風向と砂の供給量が大きな形を決めます。卓越風は三日月形の尾根をつくりやすく、複数方向の風は複雑な頂や翼を生みます。植生は砂丘の一部を固定します。鳴沙山の重なる斜面も風成地形の仲間で、泉周辺では土地の起伏が配置を導きます。大きな尾根も小さな砂紋も、動く粒、空気、重力から生まれます。

探索を続ける · 鳴沙山と月牙泉 ↗
写真の出典と権利情報
  1. 砂紋に伸びる人の影と、斜光で明暗が分かれた遠景の斜面。Daniel Eriksson · CC BY 4.0 元写真の出典 ↗ 権利情報 ↗ 向きを補正し、縦横比を保って縮小、WebP化。トリミングや修整なし。
  2. 高い砂の稜線と下方の建物、植栽の尺度の対比。guan · CC BY 3.0 元写真の出典 ↗ 権利情報 ↗ 向きを補正し、縦横比を保って縮小、WebP化。トリミングや修整なし。