塔の県 丹巴は「千の塔の国」と呼ばれる。2006年の調査では、塔と塔の遺構を合わせて562基と数えられ、最も密なのは梭坡の175基、中路の88基だった。形は四角、五角、八角、十三角で、後の二つは数が少ない。多くは高さ20〜25メートル、最も高いものは左比村にあり68メートルに達する。用途は防御、見張り、穀物の保存、境界の表示で、ひとつに決まっていたわけではない。

石と粘土と、動かない目 壁は土地の石、粘土、木でできている。職人は図面を使わず、地面に線も引かない。内側に枠を組み、それに沿って外壁を積み、上へ行くほど細くしながら、勾配は目で判断した。角には「過江石」と呼ばれる長い石を渡して二つの面を結び、隙間には小さな石を詰めた。一基に数か月から数年かかり、ひと組の職人が要った。ひとりの名人ではなく、ひと組の手で塔は立ち上がる。その技は、塔の脇の民家にもまだ見て取れる。

保存と新しい名 丹巴の塔は2006年に全国重点文物保護単位に指定された。無傷のものもあれば、上部が欠けたもの、遺構だけのものもある。修理は難しい。技が経験を積んだ石工にかかっており、元の石に合う石材も要るからだ。2025年、近くの基卡依村が国連の「ベスト・ツーリズム・ビレッジ」に選ばれ、注目と人の流れを呼んだ。塔は背景ではない。谷の村々がなぜあの配置になっているのかは、塔が説明している。