武康大楼は上海市徐匯区で武康路と淮海中路が交わる場所に立つ。複数の通りが集まる地点は先細りになり、建物はその形に沿って細長いくさび形の本体をつくる。交差点の向こうから見ると船首のようだ。この印象的な輪郭は実際的な課題から始まった。三角形の都市用地にどう集合住宅を収めるかという問題である。
1924年にノルマンディー・アパートとして完成し、ハンガリー・スロバキア出身の建築家ラースロー・フーデックが万国貯蓄会のために設計した。名称は、開発者がアパートにフランスの地域名を付けた慣習に由来する。第二次世界大戦のノルマンディー上陸作戦は数十年後のことだ。旧名は不動産のブランド名であり、戦時の出来事を指すものではない。