壁画も彩色彫刻も、色を一枚塗っただけの表面ではありません。麦積山の調査では、下地、準備層、彩色面をそれぞれ調べます。湿気、塩分、ひび割れ、過去の修理への反応は層ごとに異なります。崖が湿ったり層が剥離したりすると、顔料は褪色し、浮き、剥がれ落ちることがあります。処置を選ぶ前に、層の順序を理解することが大切です。
雑誌から
粘土に生きる色彩——彩色と保存
壁画と彩色彫刻を支える複数の層、水分がもたらす変化、細部を記録する保存の仕事を紹介します。
同じ街をめぐる · 天水市 ↗彩色面は層を重ねてできる
修復材は古い素材になじむ必要がある
研究所は個々の彫刻や壁画の材料と技法を調べています。修復担当者は周辺の地層から適した土を探し、練る水にも注意を払うことがあります。混合材は色、強度、洞窟環境の点で古い素材と調和しなければなりません。保存修復は欠けた部分を塗り直すことではなく、歴史ある表面を読み取れる状態に保ちながら安定させる仕事です。
小さな欠損に午前中をかける
修復記録には、ほこりを取り、混合液を塗り、欠損を粘土で埋め、表面を整える作業が記されています。小さな彫刻の欠け一つに、午前の大半を費やすこともあります。制作時の材料、過去の修理、現在の状態が複雑に重なるためです。どれだけ補うかを見極め、もろい縁を安定させながら、新しい処置が元の像を覆わないようにすることが技術です。
湿度が保存の条件を変える
雨や浸水で洞窟が湿った状態になることがあります。彩色が剥がれ、粘土が風化し、支持材の緩みが像全体を脅かすこともあります。研究所は降雨、排水、浸水経路と、個々の洞窟の状態をあわせて調べています。霧に包まれた山の景色は美しい一方、湿気は深刻な保存課題です。どちらも同じ土地の気候に属します。
細部の観察からデジタル記録へ
保存担当者は損傷、材料、修理を記録し、後のチームが変化を比較できるようにします。麦積山のデジタル化では高解像度撮影と三次元記録が使われ、小さな洞窟でも数千枚の写真が必要になることがあります。詳しい画像は髪の毛ほどの亀裂や色の変化を捉え、三次元記録は損傷した縁の輪郭を追います。温度、光、水分の測定値が変化の背景を説明します。日付のある記録を重ねることで、後世のチームは亀裂、表面、以前の補修の状態を評価する基準を得ます。

