舞台で生まれた名
紅線女は芸名である。本名は鄺健廉。1925年に広州の西関で生まれ、粤劇と映画を含む70年以上の芸術活動を続けた。彼女が演じた役柄はさまざまな女性に声を与えた。女性役を担う旦角の伝統と特に結びつく紅派の創始者としても知られる。
ここでいう流派は、演者を通して生き続ける。唱腔や身振り、舞台上で人物を形づくる方法を、次の世代が学び、再び観客に届けていく。
旧居と芸術センター
広州の二つの場所が、彼女の芸術と生活の異なる面を伝える。紅線女芸術センターは1996年に市の出資で設立され、収蔵、展覧会、公演、研究、芸術交流を担った。紅線女自身が初代主任を務めた。
越秀区華僑新村にある彼女の旧居は、2015年に一般公開され、2018年には歴史建築に登録された。舞台に広がった芸術人生は、広州に静かな住まいの跡も残している。
役を次の演者へ渡す
『搜書院』は、馬師曾と紅線女の演目に受け継がれる代表作の一つである。紅派の後継者である蘇春梅は、この作品で第28回中国戯劇梅花賞を受賞した。具体的な一つの演目が、経歴だけではなく上演を通して世代を結ぶ。
芸術センターは広州粤劇院と現代粤劇『紅的帰来』も共同制作し、馬師曾と紅線女をモデルにした人物を舞台に登場させた。芸術家の人生が新しい作品の題材となる。役が学ばれ、稽古され、演じられるたびに、年譜以上のものが受け継がれていく。

