蝋刀は布に色が入る前に模様を描く。国家級無形文化遺産の記録によれば、安順の作り手は銅製の道具を溶かした蝋に浸し、白布に線を引いてから染色する。順序が大切だ。周囲に色が入る前に淡い模様を準備する。完成した布を装飾として見るだけでなく、線の幅や曲線同士のつながりにも目を留めたい。
雑誌から
光を残す一本の線
安順の蝋染めは道具と線から始まる。ミャオ族とプイ族の地域ごとの伝統は、それぞれの土地に即して読みたい。

染める前に描く
模様には土地がある
安順周辺では、ミャオ族とプイ族の蝋染めに共通する道具や工程がある一方、模様には地域ごとの差がある。遺産目録は、鎮寧、関嶺、黄果樹周辺のプイ族の例として、花、鳥、魚、虫に加え、渦巻き、水のような線、幾何学模様を挙げる。大きな曲線と小さな反復模様では、手に求められる動きも異なる。小さな道具で線を重ね、広い布面にリズムをつくる。
