故宮博物院所蔵の宋代耀州窯碗は、高さ5.1センチ、口径13.2センチです。館蔵説明を読むと、文様を細かく見る手掛かりが得られます。内底中央の菊花一輪は型で押され、内壁と外壁に走る放射状の線は、花弁を表すために刻まれています。この碗は印花か刻花かを選ばせません。二つの方法が一つの器で共存しています。
まず碗の中心を見ます。花はまとまりのある一つの形として現れます。文様を彫った型を、まだ柔らかい胎土へ押し当てて作るため、印花には繰り返しのリズムが生まれます。その周囲の菊花弁線は、中心から外へ伸び、刀痕によって表面の高低を変えています。違いは「整っているか、いないか」だけではありません。刻花は精密に作れますし、型押しにもかすかな個体差があります。注目したいのは道具の働きです。文様を押したのか、線に沿って溝を刻んだのかを見ます。
印花は、耀州窯で刻花の伝統が確立した後に現れました。故宮博物院の解説では、北宋中期に登場し、北宋後期に成熟したとされています。この碗では二つの技法が明快に出会います。中心に型押しの花があり、その周囲から刻線が外へ伸びています。