個人の思いから生まれた庭

立園は開平市塘口鎮庚華村にあります。市の文化観光部門は、米国で暮らした地元出身の華僑、謝維立が十年をかけて築いた私家庭園と紹介しています。その成り立ちは村の防御塔とは異なります。立園は庭、建築、家族のアイデンティティを一体として構成する邸園として計画されました。物語は、住まいの環境を丁寧につくろうとした家族の決断から始まります。

水と移動

公式の説明は、立園を伝統庭園や嶺南の水郷のイメージと結びつけています。水路や橋が移動を建築の一部にします。邸園をファサードの集合として見るのではなく、庭、住居、開けた空間の連なりをたどってください。水は単なる景色ではありません。移り変わりを組み立て、歩く人に応じて変化する背景を建物に与えています。

伝統と西洋の形式

開平の文化部門は、潘文と潘麗の建物を中国と西洋の建築的影響が交わる例として挙げる一方、ほかの要素には伝統的な意匠も見られます。外国の様式をそのまま輸入しただけではありません。移住の影響を受けた村の出身者が、自らの庭のなかに組み込みました。住居、楼閣、橋、植栽が一つの構成をつくり、海外からの帰還を建築や庭園設計で表現しています。文化の交流は家族の尺度で見えてきます。

僑郷の景観にある庭

立園は、移住が家屋、塔、庭園をさまざまな形で変えた開平の僑郷景観に属しています。ユネスコ登録は開平の塔と村から成る連続遺産を対象とし、立園の庭園としての物語はその登録範囲と混同すべきではありません。むしろ補い合う物語です。防御的な家屋を支えた海を越えるつながりは、丁寧に設計された邸園も可能にしました。橋と水路は、帰還が村の輪郭だけでなく庭をも変えたことを示しています。